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肥大型心筋症と診断されたら?

肥大型心筋症と遺伝子検査

監修:高知大学医学部 老年病・循環器内科学 教授 北岡 裕章 先生

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遺伝子検査とは?

肥大型心筋症の原因として、心臓の筋肉(心筋)を構成するたんぱく質の遺伝子異常が世界各地で報告されています1

肥大型心筋症のうち、約60%の方が家族歴を持つ(ご家族に肥大型心筋症の方がいる)とされています。そして、明らかな家族歴がある方では約50%に、家族歴が無いか不明な方では約15%で心筋を構成するたんぱく質の遺伝子異常が見つかるとされています1。主な遺伝子異常には、心筋βミオシン重鎖遺伝子(MYH7)、心筋ミオシン結合蛋白C遺伝子(MYBPC3)、トロポニンT遺伝子(TNNT2)が挙げられ、16を超える遺伝子の1000種以上の異常が報告されています1

しかしながら、日本では肥大型心筋症の遺伝子検査は2022年に保険適応になったばかりのため、まだ限られた施設での検査である部分が多いのが現状です。

また遺伝子情報は非常に大切な個人情報であるために厳格な規制のもとで厳重な管理が必須となります。遺伝子検査を検討する際には事前に“遺伝カウンセリング”を受けることが重要であり、医師の側にも高い専門的な知識と経験が必要となります1

画像:遺伝子検査とは?

遺伝子検査のメリットは?

もし原因となる遺伝子異常が確認されれば、その家族内血縁者でも同様の遺伝子異常を持つ可能性があります。そして家族内で遺伝子異常が見つかった場合、そのときは無症状であっても適切な経過観察により肥大型心筋症をより早期に発見できる可能性があります。また、肥大型心筋症と区別が必要なファブリー病やアミロイドーシスといった疾患が遺伝子検査によって診断がつく場合もあります2

また、遺伝子異常をもつ肥大型心筋症の方は、遺伝子異常をもたない肥大型心筋症の方と比較して心筋のダメージが重度であるという報告や心不全の発生率が高いという報告があります1。このように遺伝子検査の結果から肥大型心筋症の重症度や病気の見通し(予後)の情報が得られる場合があります。ご不明な点がある場合は、医師にご相談ください。

  1. 心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)、日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドライン
  2. 心臓血管疾患における遺伝学的検査と遺伝カウンセリングに関するガイドライン(2024 年改訂版)、日本循環器学会他