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肥大型心筋症について

どんな検査をしますか?

監修:高知大学医学部 老年病・循環器内科学 教授 北岡 裕章 先生

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肥大型心筋症に対して行われる検査はいくつかありますが、その中から良く行われる一部の検査をご紹介します。

12誘導心電図

健康診断や病院の検査室で行う心電図の検査です。肥大型心筋症の75~96%で心電図異常がみられるといわれており1、肥大型心筋症のスクリーニング検査としてとても有用です。症状がない肥大型心筋症の方の多くは心電図検査がきっかけで見つかります。

ホルター心電図

病院内で心電図装置をつけて、病院外で24~48時間の連続した心電図記録を行う検査です。肥大型心筋症に伴う治療が必要な不整脈がでていないかを調べるために行います。ホルター心電図では肥大型心筋症の50~85%に心室性期外収縮、20~28%に非持続性心室頻拍、30~50%に心房性頻脈性不整脈、5~15%に発作性心房細動が検出されたという報告があります1。しかし、不整脈が短い時間だけ起こったり、症状がなかったりすると病院の心電図検査やホルター心電図検査でも不整脈の波形を記録するのが困難であることもあります。家庭でできる不整脈の発見方法について詳しく知りたい方は下記の動画で学ぶことが出来ます。

家庭でも発見できる不整脈

画像:12誘導心電図

心臓超音波(心エコー)

心臓超音波検査の目的は肥大型心筋症の診断の他に、肥大型心筋症の分類(閉塞性か、非閉塞性か)、収縮機能と拡張機能の評価、弁の機能評価など多岐にわたります1。閉塞性肥大型心筋症の評価のために、“運動負荷”を心臓超音波検査の前に実施することもあります。また、薬物療法や非薬物療法の効果判定や、肥大型心筋症の定期チェックの目的で行われることもあります。

画像:心臓超音波

心臓MRI

心臓MRI検査では心臓超音波検査と同様に心臓の壁の厚さや、閉塞部位の評価が可能となります。また、造影剤を用いたMRI検査ではダメージを受けた心筋や線維化部位を定量的に評価することができ、突然死のリスクを含めた重症度の評価にも有用です2

画像:心臓MRI

心臓CT

X線を用いて、体の中を画像化します。心臓の形や動き、血管や心臓の筋肉の様子を調べます1

心臓カテーテル検査

胸痛などの自覚症状がある場合に、狭心症などの冠動脈疾患を合併していないかをチェックするために行われます(冠動脈造影と呼ばれます)。また、閉塞性肥大型心筋症に対するカテーテル治療(経皮的中隔心筋焼灼術)や外科的中隔心筋切除術の適応を検討するために、心臓カテーテルで冠動脈造影検査が行われる場合もあります。

画像:心臓カテーテル検査

遺伝子検査

肥大型心筋症の一部では遺伝子の変異が確認されることがあります。
(詳しくは肥大型心筋症と遺伝子検査をご参照ください。)

さらに、ファブリー病やアミロイドーシスなど肥大型心筋症以外の心肥大を起こす疾患のチェックのために心臓の組織をカテーテルで一部採取する“心内膜心筋生検”が追加されることもあります。

  1. 心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)、日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドライン
  2. Weng Z, Yao J, Chan RH, et al. Prognostic Value of LGE-CMR in HCM: A Meta-Analysis. JACC Cardiovasc Imaging. 2016; 9: 1392-1402.